
『スタンフォード式疲れない体』を読みました。
世界トップレベルの「科学的知見」をもつスタンフォード大学。
全米大学スポーツランキング23年連続総合1位で、
リオ五輪でも27個のメダルを獲得するなど、「世界最強」と賞されるアスリート集団。
そんな彼らが実践しているという「最新のリカバリー法」を、
一般の人でも分かりやすく書かれた本です。
その視点は、「疲労予防」と「疲労回復」の2つで組み立てられています。
著者は、スタンフォード大学の超エリートアスリートを支える
スポーツ医局で勤めるATC(アスレティックトレーナー)の山田知生さん。
私が普段セッションやセミナーでお伝えしている内容と共通する部分が多く、
大変共感しました。
なので、読んで思ったことを書いておきたいと思います。
正しいものを選ぶ「目」はあるか?
まず最初に、本文中に、
今は大変な健康ブームで、様々なメソッドが世にあふれています。だからこそ、自分に合った正しいものを選ぶ「目」を養う必要があり、そのためにも「疲れの正体」を科学的に知っておくことが重要になってくるのです。
とあります。
全くの同感で、
・○○さんが良いと言っているから
・流行っているから
・あの有名人がやっているから
・テレビでやっているから
・本で書かれているから
などの理由で、その情報が正しく、「あなた」にも効果があるとは限りません。
たくさんの情報があふれる中で、「それはおかしい(怪しい)」というのも多々あります。
その情報は、本当に正しいのか?効果があるのか?それはなぜなのか?その根拠は何なのか?を自ら考え、判断する必要があります。情報を鵜呑みするのではなく、選別する必要があります。
そして、「疲労回復」や「疲労予防」を考えるのであれば、疲労とは何か?回復とは何か?予防とは何か?など、論理的に考え、科学的知見も頼りにしつつ、論理的に成立するのか?論理的に破綻してないか?を考える必要があると感じています。
その判断をするためには、「考える力」と「判断材料としての知識」「多角的視点」が必要です。だから、私はジャンルを問わず、年間150冊以上の本を読むんですけどね。
→原理原則に則っているかを考えれば、情報に惑わされない、騙されない。
最初から長くなりましたが、とても大事なことなので、書いておきます。なので、こういったブログで書かれていることも全部信じない方がいいです。この先に書かれていることも、自分で考えながら読んで、納得するかどうか?を大切にしてください。
疲労とは?
では、まずそもそも「疲労」とは何なのか?を考えてみましょう。「疲労とは何か?」を定義しておかなければ、知っておかなければ、本当の意味での「疲れない体」にたどり着くことはできません。
この本では、最新のスポーツ医学の見解から、『疲労とは、筋肉と神経の使いすぎや不具合によって体の機能に障害が発生している状態のこと』と定義しています。つまり、「筋肉」だけでなく「神経のコンディションの悪さ」が疲れを引き起こすということです。
自律神経と中枢神経
私たちの体の、脈拍、呼吸、消化といった意識しないで行われていることは、自律神経が役割を担っています。自律神経には、交感神経と副交感神経があり、交感神経は活動的な時に優位になり、副交感神経は休む時、リラックスする時に優位に働くようになっています。自律神経には、日内変動があり、昼は交感神経が優位、夜は副交感神経が優位というのが体に本来備わったシステムです。
過度のストレスがかかるなどすると、自律神経のバランスが崩れ、交感神経と副交感神経がうまく機能しなくなってしまいます。そうすると、眠れなくなったり、冷え性になったり、血圧が高くなったり、呼吸が乱れたりします。自律神経の乱れは、まず「病気ではないが不調」という状態で現れます。慢性的な疲労感とは、自律神経の乱れが原因の可能性が高いです。
また、中枢神経とは、手足を動かすなど、体の様々な部位に司令を出す「司令塔」のような存在です。手足を動かすというのは、脳と脊髄にある中枢神経から、手足にある末梢神経に指示がいき、手足が動くことになります。ただし、体のアライメントが崩れたりすると、その司令がうまくいかなくなります。これは、脳からの指令が体の各部位にうまく伝わらないという状態なので、体が思うように動かないということになります。思うように動かない体は、「なんだか重い」「動きにくい」「だるい」という感覚につながり、慢性的な疲労感に繋がったりします。
心と体を整えることの重要性
慢性的な疲労感を感じている人の多くは、自律神経と中枢神経のコンディションが悪い状態になっています。神経系の根本に行けば、「脳」ですから、つまりは、脳の疲労であり、「疲労の原因は、脳にある」と言えます。
となると、考え方などの思考パターンも影響するでしょう。また、姿勢の崩れが、自律神経にも影響を与えます。姿勢の崩れは、呼吸の乱れに影響し、呼吸が乱れれば、自律神経も乱れます。
さらに、体のアライメントが崩れている場合、中枢神経からの指令がうまく伝わらないので、無理な動作をして、なんでもないような動作でも必要以上に関節に負担がかかったりします。痛みは、交感神経を優位にさせるので、さらに自律神経のバランスも崩れていきます。「無理なものは無理」なので、無理な動作を続ければ、どんどん体のバランスは崩れていきます。
心と身体を整えること。アライメントを整えること。心と身体をニュートラルな状態にすること。そうすれば、根本的な疲れない体になり、快適な心と体で気持ちよく毎日が過ごせるようになるんだと思います。
→身体を整える。〜知識と意識で覚醒させる身体〜
→整える。使える。鍛える。あなたに必要なのはどれ?
DNSとPRI。
『スタンフォード式疲れない体』で紹介されている方法は、私が体へのアプローチとしてベースとしているDNS(Dynamic Neuromuscular Stabilization)やPRI(Postural Restoration Institue)のコンセプトが基本となっており、基本的に同じようなことを考え、やっているんだと思います。
→DNS SPORT COURCE1を受講してきました!
→DNSとたんぱく質補給会とJISS。
→PRIマイオキネマティックリストレーションのコースを受講しています!
→PRIマイオキネマティックリストレーションを修了しました!
やはり、世界のスタンダードは、「筋肉を鍛える」時代から、「動作を鍛える」時代へ移行してきているんだと改めて実感しました。
→【報告】ムーブメントベースドトレーニングのセミナーを開催しました!
『スタンフォード式疲れない体』オススメです!
さらに、『スタンフォード式疲れない体』には、横隔膜の働きやIAP(腹腔内圧)呼吸、パラドックス呼吸についての解説、自分でできるリカバリー法、リカバリーのための食事法などもわかりやすく記載されていて、かなりオススメです!!
ご興味ある方は、ぜひ読んでみてください。
特に、私のセッションやセミナーを受けていただいている皆さんにオススメ致します。
セミナー情報
なお、この本に書かれているような内容が元になっているセミナーの開催が決まっています。
9月2日(日)10時〜17時
『呼吸で身体を整える~呼吸という動作パターンから姿勢と動作を変える~』
9月23日(日)13時15〜16時15
『3時間で誰でも脱力できる方法〜力を抜いて、骨を動かす〜』
予習として、読んできていただけると良いかもしれません。
本日もお読みいただき、ありがとうございます。
それでは、また!
心と身体の問題を整理して解決に導く
五木田穣
LINE@はじめました!こちらから、お気軽にご質問、ご相談下さい☆
ダイエットコンシェルジュ様から、「あなたが走っても走っても痩せない理由はコレ!運動とダイエットの関係性とは」といった内容で取材を受けましたので、私の考えをお伝えさせいただきました。
特集「~知っておきたい身体の機能~呼吸と運動の関係」において、DNS、FMSといったメソッドを中心に呼吸と運動の関係についての解説とエクササイズ監修をさせていただきました。
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