ハイサイ!
沖縄に移住して5年目、パーソナルトレーナーの五木田です。
デュアルライフを実践中。ボヘミアンな働き方をしています。
こんなニュースが出ていたのをご存知でしょうか?
記事の内容は、こちら↓。
スポーツジムなどで1対1で指導を受けるパーソナルトレーニングによって、筋肉を痛めたり腰の骨を折ったりするなどの事故が報告されているとして、消費者庁の安全調査委員会、いわゆる「消費者事故調」が実態を調査し、再発防止策を検討することを明らかにしました。
消費者事故調によりますと、全国の消費生活センターなどには、運動不足の解消やダイエットなどを目的にスポーツジムなどで1対1で指導を受けるパーソナルトレーニングで、筋肉を痛めた、神経を損傷したなどといった相談が、去年2月末までのおよそ5年間で105件寄せられ、このうち4人に1人が治療に1か月以上かかっていたということです。
医師などからは、
▼30代の女性が、パーソナルトレーナーの指導で前かがみの状態でバーベルを持ち上げる運動を2か月続けた結果、腰の骨を折るけがをした、
▼きついスクワットをさせられ、内ももの筋肉を痛めて歩行が困難になった、
などの事例が報告されているということです。
消費者事故調は、知識が不十分なトレーナーによる指導が事故につながっているケースも考えられるとして、スポーツジムや専門家に聞き取りを行うなどして実態調査を行い、再発防止策を検討することを明らかにしました。
消費者事故調の中川丈久委員長は「新たなサービスとして今後広まる可能性がある。消費者には事故が起きていることを認識して、無理なトレーニングを控えてほしい」と話していました。
パーソナルトレーナーの立場として、この事故は絶対におかしいのです。
そもそも、怪我をさせないで、安全かつ効率的に指導するのがパーソナルトレーナーなので。
何がおかしいのか?何が問題か?思うところを書いてみたいと思います。
パーソナルトレーナーとは?
まず、大前提として、そもそもパーソナルトレーナーとは何か?というところから。
パーソナルトレーナーという職業は、運動指導の専門職ではありますが、
国家資格はなく、色々な民間団体が認定資格を発行しています。
有名どころ、大きな団体としては、
- NSCA(National Strength and Conditioning Association)
全米ストレングス&コンディショニング協会 - JATI(Japan Association of Training Instructors)
日本トレーニング指導者協会 - NASM(National Academy of Sports Medicine)
全米スポーツ医学協会 - NESTA (National Exercise & Sports Trainers Association)
全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会
などがありまして、
だいたい、パーソナルトレーナーとして活動している人は、上記の団体の資格を保有しています。
どこかの施設と契約を結ぶ際に、いずれかの資格保持を条件とされていることが大半だからです。
が、国家資格ではないので、基本的に資格は不要で、
「私はパーソナルトレーナーです」と名乗れば、
誰でもパーソナルトレーナーとして活動できてしまうというのが問題点の1つです。
もし、あなたがパーソナルトレーニングを受けている場合、これから受けようとしている場合、
そのパーソナルトレーナーは、どこかの団体の資格を保持しているかどうかは確認してみるといいでしょう。
どこの団体の、どの資格であれ、
科学的根拠に基づいて、安全で、効果的な運動指導ができる専門職
のことを、パーソナルトレーナーと定義しています。
逆に言えば、資格を取得していないということは、
科学的根拠がなく、ただの経験則だけで指導していることになります。
(もちろん、その経験則が素晴らしい場合もあるでしょうが)
おそらく、これが先述したニュースになった
怪我をさせてしまった「自称パーソナルトレーナー」かと思われます。
資格がすべてではありませんが、いずれかの資格を取得していることは、
最低限の知識を保有している証明には、なります。
(指導技術はまた別の話になります。実技試験は特にないので←ないのも問題ですよね)
とにかく、ちゃんとした「パーソナルトレーナー」なら、、
パーソナルトレーナーの指導で
前かがみの状態で
バーベルを持ち上げる運動を2か月続けた結果、
腰の骨を折るけがをした
こんなことは絶対に起こしません。
おそらく、「デッドリフト」という種目をやっていたのだと思われますが、、
ちゃんと勉強していれば、ちゃんと自身でトレーニングを実践していれば、、
パーソナルトレーナーが、パーソナルトレーニングで、
怪我をさせてしまうことは、絶対にありません。
(もちろん、100%ないとは言えませんが、限りなく0に等しいとは言えます)
現に、私は20年間、学生の時からパーソナルトレーナーとして運動指導をしてきていますが、顧客に怪我をさせたことは一度もありません。
これは、私がすごいのではなく、パーソナルトレーナーなら至極当然なことなんです。
もちろん、私の周りのパーソナルトレーナーでも聞いたことがありません(当然、資格取得者です)。
繰り返しますが、科学的根拠に基づき、安全で、効果的な運動指導をするのが、パーソナルトレーナーだからです。安全第一なんです。だから、怪我には細心の注意を払うのが、当たり前の在り方なんです。
※もちろん、資格を取得していなくても、独学で、理論と実践を積み上げた人もいるでしょう。 一概に言えないことではありますが、しっかりと基礎を学んだかどうかというのは、とても大切なことです。
パーソナルトレーニングとは?
「パーソナルトレーナー」が提供している運動指導サービスを「パーソナルトレーニング」と言います。
もう少し深掘りしてみましょう。
パーソナルトレーニングとは、Personal Trainingのことです。
欧米圏で始まったものですから、英語で本義の意味をとらえていく必要があるでしょう。
personalとは、「個人的な」とか「個人用の」とか「個別の」といった意味になりますね。
パーソナルトレーニングと似たような言葉を探してみると、
パーソナルコンピューターがありますが、
Personal Computerは、個人用のパソコンという意味ですよね。
個人で使うことを目的に作られたコンピュータを、Personal Computerという。
Personal Trainingは、個人用のトレーニング。
個人に対してトレーニング指導を行うことを指します。
パソコンのスペックに差はあれど、使いこなせているかいないかの差はあれど、
「個人で使う」という目的は、どんな人にでもあてはまります。
ただ、ネット検索したいだけでも、ワード入力をしたいだけでも、
画像や動画いじりをしたいだけでも、使い方は人それぞれで、
自分に合ったパソコンを、必要な機能や予算で、探しますよね。
同じように、パーソナルトレーニングも、目的は人それぞれですし、
自分に合ったパーソナルトレーナーを探す必要があります。
パーソナルトレーナーも、誰でも同じなわけではなく、パソコンと同じように、
何ができてできないとか、スペックの差があったり、値段も変わってきます。
自分に合った「パソコン」を探すように、
自分に合った「パソトレ」を探すことが大事です。
※もちろん、この場合の「パーソナルトレーナー」は前述した、科学的根拠に基づいて、安全で、効果的な運動指導ができることが最低限の条件になります。
「トレーナー」と「トレーニー」の違い
「トレーナー」と「トレーニー」。
言葉が似ていますが、全然意味が違います。
トレーニング指導をする人を、「トレーナー」と呼び、
トレーニングをする人を、「トレーニー」と呼びます。
最近は、トレーニング好きのトレーニーから、
パーソナルトレーナーに転身してくる人がとても増えています。
(ボディメイク系のコンテストに出ている人に多いですね)
やはり、自分ができないことを人に教えることはできませんから、
自身がトレーニングが大好きで、実践しているというのは、とても大事だと思います。
でも、自分でできる能力と、教える能力とは、全くの別物です。
名選手が名コーチになれるわけではないように、
自分ができるからといって、教えることができるわけではありません。
経験則で教えること(もちろん、その経験知は素晴らしいものです)と、
科学的根拠に基づいた、安全で、効果的な運動指導をすることは、全くの別物だからです。
トレーナーとしての能力を高めるためには、最低限、
運動学(物理学)、解剖学、生理学、解剖生理学、栄養学、医学、心理学などを学んでいることが必要です。
それを、トレーニング学として落とし込めているかどうか。
そこに、ただのトレーニーか、トレーナーかの違いがあります。
これまた繰り返しますが、トレーナーは、怪我をさせては絶対ダメなんです。
そうやって、学んできていますし、
欧米が発祥であることから、訴訟問題に対しての備えをちゃんとしています。
だからこそ、安全で、効果的な運動指導を行うのは当然ですし、徹底的なリスク管理をします。
また、持病や、何かしらの内科的疾患をお持ちの方に対して、運動指導を行うこともありますから、
心拍数や血圧、血糖値、発汗、顔色、息遣い、目の様子など、
かなり注意深く動向を観察しながら、運動指導というサービスを行なっています。
指導場所では、AEDの場所も確認しておきますし、非常口も確認しておきます。
(資格取得の際には、CPR:救急救命法の講習も義務付けられていますので)
空気の換気具合や、衛生面にも気を配っています。
だって、プロですから。それでお金をいただいているわけですから。当然のことだと思います。
それでも事故は起こり得るものですが、限りなくリスクをゼロにしていくというのは、
プロのトレーナーなら、皆やっていることだと思います。
ただ1対1で運動指導しているだけなら、
そこに科学的根拠がないなら、安全が担保できないなら、
「マンツーマントレーニング」といった方が適切だと思います。
それがプロのトレーナーかどうかというと、私は違うと思います。
何がおかしかったのか?何が問題なのか?
では、まとめていきますと、、
まず今回の事故を起こしたというのは、「自称パーソナルトレーナー」でしょう。
資格を取得していないか、資格を取得していたとしても、ものすごく経験が浅い人だと思われます。
知識も技術も備わっていない人物が「パーソナルトレーナー」を名乗り、
「パーソナルトレーニング」と称したサービスを提供していたことに問題があります。
(とはいえ、現在のところ、法的に問題はありません)
事故報告が相次いでいるということから、
そういう自称トレーナー、そういうパーソナルジムが、ものすごく増えていると思われます。
パーソナルトレーニングが流行ってきていることもあり、
そこにビジネスの勝機を見出して新規参入してくる人、企業が増えています。
そこで、もう一つ掘り下げて考えてみると、その「トレーナー」は、個人事業主なのか、オーナー社長なのか、雇われ社員なのか、業務委託者なのか、アルバイトなのか、です。
(個人事業主で、怪我をさせてしまうようなトレーナーなら、終わってんな。。と思ってしまいます)
自分で1から築いてきたトレーナー(個人事業主やオーナー社長)には、実績があります。
実績があるということは、トレーナーとしての知識も技術も人間性もそれなりにある、という証明にはなると思います。
まず、こういうトレーナーなら、怪我をさせられることはありませんし、安全で効果的なパーソナルトレーニングを提供してくれるでしょう。
雇われ社員の場合は、ピンキリです。これは、私が個人事業主であるからこそ、また、いち会社員だった時があるからこそ思うのですが、やはり雇われだと熱意が足りないように思います。熱意=勉強熱心さでもありますし、熱意がある社員ほど、辞めて独立していくものだからです(笑)
逆に、熱意がある社員がいる会社(ジム)は、よっぽどオーナー・社長が素晴らしいのだと思います。
そういうジム(会社)は、めちゃくちゃいいところですから、安心して通われてください。
業務委託者の場合も、ピンキリです。基本的には、個人事業主が業務委託契約を結んでいるので、熱意がある人が多いと思います。経験が豊富なトレーナーもいますし、これから頑張っていきます!というトレーナーもいます。どちらが良いとか悪いとかはなく、相性もありますし、目的や予算、縁などもあるでしょうから、良いトレーナーと巡り合えるといいですね。
最後、アルバイトの場合。これは、ほぼ学生か主婦になると思いますが、やはり圧倒的に経験値は少ないです。大手のジムなどでは、アルバイト契約の人がほとんどです。が、熱心な人もいます。アルバイトから社員を目指していたり、独立を目指していたりします。結局のところ、ピンキリという話にはなってしまいますね。
顧客側が「見る目」を養いましょう。
今回、お伝えしたかったことは、お客さん側が見る目を養いましょう、ということです。
そこで、判断基準になるであろうことを、最後にまとめておきます。
- 資格や指導経験を聴きましょう。
- 知識と経験は十分かどうか確認しましょう。
- 色々質問をしてみて、的確な答えが返ってくるか、確認しましょう。
- どんな資格を所持しているか、確認しましょう。
- 得意な症例などを確認しましょう(自分の目的に合っているかどうかです)。
- 評判を聴きましょう。
- そのトレーナーの評判を、実際のお客さんから聴ければベストです。
- 口コミでも良いですが、口コミはお金払って書いてもらったりもあるので、疑いつつ確認しましょう。
- 通っているお客さんを見てみましょう。そのお客さんは、理想とする体型などをしているでしょうか。
- SNSなどで、普段の様子を確認してみるものよいと思います。
- 体験を受けてみましょう。
- 興味を持ったら、まず体験をしてみるといいでしょう。
- その時に話を聴いてくれるかどうか、説明はうまいか(わかりやすいか)、効果を感じられたか、希望を感じられたか、チェックしましょう、
- そのトレーナーの振る舞いを観察しましょう。所作や、姿勢や、口調はどうでしょうか。信頼できそうでしょうか。
- 相性(フィーリング)は、合いそうでしょうか?これが1番大事です。
- 通いやすいかどうかを検討しましょう。
- 継続的に通うことが大切です。なので、ジムの場所、ジムの空間デザイン、予約の取りやすさ、など、ストレスなく通えるかどうかも検討してみてください。
- 料金(予算)も確認しましょう。
- まずは、自分の予算の範囲かどうかです。これも通いやすさの1つになります。
- また、適正な値段かどうかも検討してみてください。安すぎても、高すぎても、気になります。相場は、1回60分あたり、6000円〜10000円くらいです。
- 契約をなかば無理やり取ろうとしている場合は、注意が必要です。
などです。
いかかでしたでしょうか?
せっかく、自分を変えるために一歩を踏み出したのに、
怪我をしてしまうのは絶対に避けてほしいですし、期待する効果を出してほしいと思います。
出会いが悪いせいで、運動を嫌いになってほしくないですし、
パーソナルトレーナーやパーソナルトレーニングを誤解してほしくもありません。
この記事が参考になれば、幸いです。
こちらも参考にどうぞ。
なお、私は、Your Best Solution(最善の解決方法を提案・提供する)というのをコンセプトに活動しておりますので、ジムやトレーナーが合っているかどうかの相談も乗らせていただいております。料金はいりません。
ご質問やご相談があれば、お気軽にご連絡ください。
それでは、またやーさい!
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